前期を終えて……自主自律の旗の下
本校の校訓、「自主自律」。この言葉の意味については解説は不要と思いますが、この4文字が本校の教育現場でどのように生きているかというと、なかなか保護者の皆様や地域の方々にはわかりにくいものかと思っています。
その一端が垣間見えるのが5月の「体育大会」、10月の「創凛祭」、先日実施された「地域公開・授業参観日」等の行事ではないかと思います。この3つの行事には、本校の特徴的な教育実践「Mix Activity(全校縦割り活動)」が配置されています。学年学級の枠を廃した縦割り班と生徒会事務局を組織とした生徒主体の活動で、体育大会や創凛祭、日常の生活の中でどのように学校を盛り上げ、一体感や所属感を感じてもらうかという課題に対して生徒達がアイディアを出し練り上げて実行しています。また、そこでの成功体験や成就感を日常生活や学習活動にも活かすために、校則の改善改定等の堅い内容にも取り組んでいます。保護者の皆様、地域の方々の目にはこれら活動はどのように写っていたでしょうか?
「自主自律」は一夜にしては育ちませんし勝手にできるものでもありません。生徒達自身が考え行動する中で、成功の喜びや失敗・挫折の反省等より、徐々に得られる学びの結果です。学校はそのような成功と失敗をたくさん経験する場所です。教師が枠型を準備して一方的に教え込んだり、ロボットのように行動させるような教育活動では、生徒は失敗はしないかもしれませんが、生徒の「自主自律」は為し得ないと考えます。「Mix Activity(全校縦割り活動)」の意義はここにあります。(場面によっては必要に応じて教師が主導することも当然あります)
生徒達は「失敗するかも…」「自分なんか…」等の自信のなさを抱えています。また、「どうやって取り組もう…」といった取り組み方や進め方についてわかっていない未熟さもあります。そのようなことが混沌として「自主」を阻むことにつながります。不安や未熟さを乗り越えて進む「勇気」が必要です。「勇気」はなにもない無の状態から勝手に湧いてくるものではなく、自分の居場所(心にも体にも)があってこそ湧いてくる。私たちはこれは「生徒の心理的安全性」と認識し、学級学年の運営や生徒指導全般を通しで生徒達の心理的安全性が保証される場を作ることが大切だと考えています。
そのような考え方から、私たち巴中教職員は、生徒達の背中を押す人、そして勇気づける人でありたい。保護者の皆様や地域の方々のご支援ご協力を賜りながら、「自主自律」の旗の下、生徒達の自立に向けて、今年度の後半戦に邁進して参ります。後期も巴中学校をよろしくお願いいたします。